アテネ五輪男子マラソン　デリマ選手が妨害受ける。乱入者は元司祭のホラン容疑者。たすけたおじさんはPolyvios Kossivas（ポリビオス・コシバス）さん

２００４年、オリンピック発祥の地アテネでオリンピックが開催された。
日本人選手も大健闘し３７のメダル（金：１６　銀：９　銅：１２）を取り、我々を感動させてくれた。
しかし、室伏選手繰上げ金メダルの発端となったドーピング問題など、悲しいニュースも伝わってきた。
最も困った出来事は、男子マラソンコースに男が乱入し、先頭を走っていたブラジル　デリマ選手（de Lima）の妨害をしたことだった。
警察や一般人の手により、侵入者の確保と選手のコースへの復帰が図られたが、デリマ選手は約１５秒のタイムロスを負ってしまった。
この侵入者については後述するとして、私は多きな不安を感じた。
それは、次回の北京五輪で似たようなことが起こらないか？ということだ。
今回の乱入事件では、乱入者1人対警察や善良な市民という構図だった。
テレビ中継をご覧だった方はおわかりだと思うが、選手の妨害をした侵入者に対しては、非難をしてるような仕草をする市民や、選手のコースの復帰を助ける市民の姿を見る事ができた。
次回のオリンピックでは選手の安全が最大限確保されるよう競技関係者に願いたい。

今回の侵入事件に関するニュースソース等
サンスポニュース　【マラソン妨害男は元司祭、過去にも乱入騒ぎ】
http://www.sanspo.com/athens2004/athletics/news/0829/at2004082913-S.html

asahi.com　【IOCが特別メダル贈呈へ】
http://www2.asahi.com/2004athens/athletics/marathon/KYD200408300001.html

Yahoo スポーツナビ　【デリマ選手がコメント　　「とにかく驚いた」】
http://athens.yahoo.co.jp/column/report/interview/at00002302.html

産経web　【ＩＯＣ、デリマ選手に特別メダル贈呈　陸上男子マラソン】
http://www.sankei.co.jp/news/040830/spo048.htm

海外メディアのニュース
http://sportsillustrated.cnn.com/2004/olympics/2004/track/08/29/marathon.intruder.ap/index.html
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/olympics_2004/athletics/3610598.stm

マラソン妨害男は、司祭の資格を剥奪されたアイルランド出身の男

警察によると、確保された男はアイルランド出身の自称元司祭Cornelius Horan（５７）。拘束後の調べに対し「キリストの再臨に備えて（デリマ選手を）捕まえた」などと供述しており、警察は「精神的に重大な問題があるようだ」としている。
　男は昨年のＦ１英国グランプリ（ＧＰ）でもレース中にコースに侵入。
アテネ通信によるとテニスのウィンブルドン選手権でも過去に乱入騒ぎを起こしたという。

7/21 Ｆ１グランプリが一時騒然！　時速320キロで走るレースカーのコースに侵入者

この男性はアイルランド人ローマ・カトリックの元司祭ニール・ホラン容疑者（56）で、レースが12週目に入った頃、バッグと、「聖書を読みなさい。聖書は常に正しい」と書かれた垂れ幕を手に、車が猛スピードで走るコース内に侵入。1分ほどその場でレースを妨害し、この様子はテレビで何百万人もの視聴者が目撃したという。

シルバーストーンの侵入者、保釈は却下
http://www.f1.panasonic.com/ja/headlines/headlines_030730_02.html

ホーラン容疑者の司祭時代の活動等のリンク集
海外サイトのため、エキサイト翻訳サイトを起動後にURLをコピーペーストしてご覧下さい。

エキサイト翻訳サイト
http://www.excite.co.jp/world/english/web/

司祭だった頃のホラン容疑者の活動などについて
http://sports.yahoo.com/oly/photo?slug=lon81608292031.britain_olympics_marathon_lon816&prov=ap
ホラン容疑者の経歴等　（Horan という箇所を読んで下さい）
http://www.deunantbooks.com/writers/
ホラン容疑者の書籍（電子ブック）
http://www.deunantbooks.com/authors/Father_Neil_Horan/page1.html

アテネオリンピック男子マラソンに乱入し、アテネの裁判所で執行猶予判決を受け、その後イギリスに戻ったCornelius Horan（コーネリアス　ホーラン容疑者）が、90年代前半に2件の幼児わいせつ事件を起こし、イギリス捜査当局に起訴されたことが判明した。（2004.9.3）
Woolwich Crown 裁判所に現れたホラン容疑者は起訴事実を否認した。
次回公判は10月25日に行われる模様
（写真は裁判所を後にするホラン容疑者）

http://uk.fc.yahoo.com/040902/46/f1s8t.html
http://u.tv/newsroom/indepth.asp?id=49899&pt=n

とぼけたことを言っているホラン容疑者

リンク先のニュース記事の真ん中辺より、
Outside court today he said: "I fully intend to go to Brazil to personally apologise to De Lima and hug and kiss him

裁判所を後にしたホランは、ブラジルに行ってデリマ選手への謝罪と、キスとハグ（抱擁）をしたいと語った。。。。

相変わらず香ばしいニール・ホランである。

デリマ選手を助けたおじさんが判明しました（2004.9.20更新）

（英文記事要約）
ブラジルオリンピック委員会（ＣＯＢ）会長のCarlos Artur Nuzmanは、アテネ男子マラソンでデリマ選手が妨害を受けた際、デリマ選手の救出に寄与した男性をブラジルに招待し、表彰すると発表した。
この男性はPolyvios Kossivas（ポリビオス・コシバス）さん（５３）。職業：営業マン

デリマ選手はゴール直前に、司祭の資格を剥奪されたアイルランド人、コーネリアス・ホランの妨害を受けた。
その際、コシバスさん（Polyvios Kossivas）がデリマ選手を助けた
デリマ選手は約20秒のタイムロスをはねのけ銅メダルを獲得した。

ブラジルのメディアは中年、口ひげの観客のこの男性に賞賛を送った。
しかし当初は、この男性が誰かは分からなかった。
今般、Folha de Sao Paulo紙がこの男性とのインタビューを行ったことにより名前が分かった。
ＣＯＢはコシバスさんを、年末に行われるスポーツ栄誉賞の式典に招待し、デリマ選手との面談も検討している。

-------------------------------------------------------------------------------------

いやー、よかった。
いつかこの日が来ると思ったが、やはりおじさんが誰か判明して胸のつかえのような物がとれたような気がします。

他のソースを探してみたのですが、Runner's world magazineの見出しもよかったです。

Brazil's Olympic Committee Invites Sidewalk Tough Guy To Meet De Lima
（ブラジルオリンピック委員会は歩道にいたタフな男を招待し、デリマ（選手）に会わせる）

男の部分に一般的な「man」を使わずに、インフォーマルで若い男性を指すこともある「guy」を使っているあたりに、見出しを書いた人のセンスの良さを感じた。
オジサンのあの機敏な行動は、力強さ、若さを感じさせ、とても53歳にはみえない、やはりあのおじさんには「Tough Guy」が合っている。

別のソース（LA NANACION LINE）を見てみたが、こちらでは職業は、アイスクリーム工場のマネージャーとなっていた。
おじさんのやさしさのつまったアイスは、きっといい味を出していることと思う。
また、昔はバスケットボールの選手と審判をしていたとのことである。
バスケ時代に培った俊敏な動作と、審判経験という立場から、「正義」といった物にも人一倍敏感だったため、今回のような行動がとれたのであろう

改めて、Polyvios Kossivas（ポリビオス・コシバス）さんの勇気に敬意を表したい。

緑色を取り押さえたデブ親父をたたえるスレ
http://live16.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1093799779/

デリマ選手とコシバスさん、ついに面会(2004.12.9)

［リオデジャネイロ　８日　ロイター］　アテネ五輪男子マラソンでコースに乱入した男に進路を妨害されながらも、銅メダルを獲得したバンデルレイ・デ・リマ選手が７日、ブラジルで年間最優秀選手に選出された。
　同選手はブラジル・オリンピック委員会が主催した授賞式でトロフィーを授与された。式にはアクシデントが起きた際にリマを助けたギリシャ人男性ポリビオス・コシバスさん（５３）も出席した。
　同選手は３５キロ地点までトップを独走していたが、アイルランド人の元聖職者を名乗る、ニールホランに妨害された。同選手を真っ先に助けたのがコシバスさんだった。
ブラジルのメディアはコシバスさんに賛辞を送ったが、事件の１カ月後にサンパウロ紙がインタビューするまで、ブラジルではコシバスさんのことはあまり知られていなかった。
さすがにこの会場には、元聖職者のニールホランは表れなかった。

ニールホラン　ついに聖職者としての資格停止（2005.1.22）

【ロンドン支局】ＡＦＰ通信によると、カトリック教会は２０日、昨年のアテネ五輪男子マラソンで、選手の妨害をしたアイルランド生まれの聖職者、ニール・ホーラン氏（５７）を、聖職停止にした。

　同氏は、「私は、教会に生涯を捧げてきた」と不満をぶつけたが、報道陣を前にダンスを披露するなど奇行は相変わらず。

　同氏は、首位を走っていたブラジルのデリマ選手を沿道から飛び出して歩道に押し出し、昨年８月、ギリシャの裁判所で執行猶予付きで禁固１年の判決を受けていた。

聖職者追放の書類へのサインを拒むニールホラン（RTE News）
　
After today's meeting, Mr Horan said he had refused to sign any papers
removing him from the priesthood
（今日の会議の後、ホラン氏は司祭追放に関するあらゆる書類へのサイン拒否すると言った）